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【取材レポート】大人気スタイリスト 大草直子さん取材

皆さま、こんばんは!!

暑さ厳しい日々から一転し、風が涼しくなってきましたね。

最近はなかなか記事の更新まで時間がかかってしまっていますが、近々新企画やご報告もありますのでどうぞお楽しみに!!!

今回は7月20日に大人気スタイリストである大草直子さんに取材させて頂きました。

自分軸を持っておられるからこそ他者に惑わされず、自分自身で道を選択し歩まれてきたのだと強く感じる1時間を過ごさせて頂きました。

最後の最後まで大草さんの魅力が詰まったレポートです。皆さま、ぜひご覧ください!!!

2列目右から2番目 大草直子さん

大草直子さん:1972年生まれ、東京都出身。大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌『ヴァンテーヌ』の編集に携わったのち、独立。多くの雑誌やカタログのスタイリング・編集、ブランドや広告のディレクションを手掛け、現在はウェブマガジン『mi-mollet』のコンセプトディレクターを務める。ベネズエラ人の夫を持ち、高3、中1、小3の3人の子どもの母。

Instagram:@Naoko Okusa official

 

Q1:学生時代、印象に残っていることは何ですか?

A1:高校時代だと、自ら希望して行ったアメリカ留学が一番印象に残っています。田舎町だったんですけど、肌の色や瞳の色、家庭環境を含めたバックグラウンド、国籍、考え方など人間の多様性を学びました。それが今に生きているし、心の目まで開いた感じでした。大学時代は、とにかく団体スポーツがやりたかったので、部活、ラクロスです。仕事を始めたとき、雑誌をチームで作るということとの共通点を感じることもありました。

Q2:編集者やファッションの仕事に、興味を持ったきっかけは何だったのですか?

A2:ひとりひとり、キャリアを通しての使命を持っていると私は考えています。私の使命は、たくさん持っている情報を人に「伝える」ということだったんです。新聞記者やアナウンサーなど選択肢はたくさんありましたが、ファッションが好きだったことも相まって、シナプスが繋がったのが雑誌編集者という仕事でした。若い時だけキャリアを伸ばせるのではなく、やった年月の分だけ実績として残る、長く働ける仕事がしたいという思いもあってのことだったと思います。

Q3:大草さんの華々しいキャリアに憧れる学生も多いと思います。高校生や大学生が今後の人生を考えるにあたって、意識しておいた方がいいこと、やっておくべきことなど、アドバイスをいただけますか。

A3: キャリアを決めるときは、なるべく一生続けられて、ピークを人生の後半に持ってくることのできる仕事を選ぶべきだと思います。特に女性は結婚、出産があるためピークを20代で迎えるより、人生の後半、60代くらいに持ってくるべきですね。

Q4:ファッションのお仕事を通じて、心に残っている出来事や人はいますか?

A4:私の本を読んだ方が「オシャレをすることが楽になりました」「生きることが楽になりました」と言ってくださることが一番嬉しいです。生きていくにあたって最重要なこと、例えば食べることや育児を第一にする中で、人生が少しでも楽に、そして豊かになるのであれば、そのツールとしての”オシャレ”ってアリだよね、ということを伝えたいので、そういうお言葉を頂いたときは本当に嬉しいと感じます。

Q5:ファッションが上手く決まらないことは、女性にとってモチベーションを下げる原因になると思います。どんな工夫をされていますか?

A5:この本(『毎朝3分で服を選べる人になる』)にも書いてあるのですが(笑) 大体の人は、上からコーデを決めていくと思うんです。でも、靴から決めること。メイク、トップス、ボトム、カバンまで完璧なのに、靴だけキマらないってこと、よくありますよね。だから、手持ちのアイテムの中で一番数の少ない靴から決めることで、コーディネートがまとまるようになります。

Q6:仕事とプライベートどちらもご多忙な生活を送っていらっしゃいますが、それを支えるエネルギーはなんですか?

A6:忙しいのが苦ではないんです(笑) 人って、年齢を重ねれば自然と忙しくなるんです。でも、忙しくしているその要素が自分にとって楽しくて、愛情と信念と情熱で支えられているものならば、ストレスにはならないんです。「自分に言い訳をしない」「人のせいにしない」人生にしなさい、と娘にはよく言っています。

Q7:ダンスのために、会社を辞めるに迷いはなかったのですか?

A7:結構苦労して入った会社だったんですけど、迷いはなかったですね。私は5年単位でものを考える癖があるんですが、そのとき会社に入って5年目で、そのまた5年後の自分を考えた時、会社にいるのを想像できなかったですし、仕事とダンスを天秤にかけたたら断然ダンスの方が重要でした。また、沢木耕太郎著「深夜特急」という本に『人は27歳で、今まで作ってきた価値観を一度壊したくなる』という一節があるんですが、「これ、私のことじゃない?」と思ったのを覚えています(笑)

Q8:「人生のピークを60歳に持っていく」、20代や30代ではなくなぜ60歳なのですか?

A8:まず大前提として、私は死ぬまで仕事がしたいと思っているんです。細く長くでもやり続けたことが、身になったり評価につながったりして、死ぬ間際に「今の私、最高のレベルだな」と思える社会にしたいんです。なぜかというと、現代日本社会は女性も男性もキャリアのピークが40歳くらいで、そのあとは消化試合と化してしまっていると思います。稼ぎもキャリアも、緩やかにでも上がり続けていけるような社会が私の理想です。生きてきた経験値、実績があるなら、やっぱり最後までずっと上がっていくべきだと思うんです。私は今60歳に近づいてきてしまっているので、ピークを70歳に変えようかと思っているくらいで(笑)女性の美しさだって、内面は年齢を重ねるほど美しいと思います。オシャレのスキルも積み重なって行くものですし。だから、ピークが後ろになるといいと思うんです。

Q9:普段のコーディネートで意識していることは何ですか?

A9:TPOです。10代20代は自分のテンションが上がる服がいいかもしれないけれど、45歳の今は自分の軸を持ちつつもTPOを意識してますね。雑誌の打ち合わせひとつでも、その雑誌の雰囲気に合わせた、でも自分の軸は保ったコーディネートを考えます。その日の予定に合わせた服装を考えるのも、楽しいんです。

Q10:「1つのことに命を懸けている」からこそ生み出せる、大草さんだけの魅力は何ですか?

A10:替えが効かない物です。ファッションのセンスって替えが効くんですけど、キャリアとか人生経験とかって替えが効かないんですよね。応援して下さる方って、私の生きてきた風景、ありのままの私に共感してくださってるのではないかと思っています。オシャレは表層的なものだけど、人と比較するものではない。女の人が楽になるツールであって、財力などを誇示するものではない。この考え方に共感してくださる方が多いのかもしれないですね。

Q11:自分の好きなところはどこですか?

A11:素直なところですね、心がけています。「これはいい」と言われていることは全部試してみます。そんなに手間のかかることではないし、毛嫌いせずにやってみるようなところが、自分でも好きです。

Q12:自身を3つの言葉で表すとしたら?

A12:まずは「情熱」。心を動かしたときに出てくるエネルギー。オシャレ、ラテン、ダンス、お酒、いろんな意味で(笑)

「リアル」もひとつあります。今の世の中って、ファンタジーとリアルの区別がつきにくいと思います。昔は、雑誌はファンタジーで自分はリアル、境界線がはっきりしてたんですけどね。インスタってリアルに見せてるファンタジーですよね、だから、SNSをリアルだと思うのは大間違いだと思ってます。だから私は「リアル」を大事にしています。自宅から自転車に乗って、駅から電車で事務所に来てれば、電車に乗れない服って着れませんよね。

三つめは家族によく言われる、いい意味での「自分勝手」です。家族がどんな意味で使ってるのかわからないですけど(笑)「自分勝手」って、言い換えると自分軸がちゃんと自分にあるってことですよね。軸を他人に預けてしまうとすごく辛くなるんです、家族でもだめ。私は絶対に自分軸を自分で大切に持ちたいと思っています。自分の勝手で動くから、もちろん尻拭いも自分、という意味で「自分勝手」ですかね。

Q13:ポジティブなマインドの保ち方を教えてください。

A13:実は、20代は人と自分を比較して、辛い思いをしてました。でも、ポジティブは後天的なもの、訓練で身につくものだと夫に教わったので、今は毎晩必ず自分を褒めてます。ポジティブって、長距離走みたいなもので突然できるようにはならないんです。どんなに少なくてもいいので、飲んだり踊ったりだったりだといった、自分を発散する時間を何が何でも取ること。それがないといろんなことを自分以外のせいにしちゃうので。

Q14:子供を産まないという選択肢はなかったのですか?

A14:第一子の妊娠時、結婚はしてたんですけど計画はしてませんでした。私は自分軸以外のことで、こうあるべきといった意識が働かないんです。だから、子供を産みたいとも産みたくないとも思ってなかったんですよね。幼いときって、子供っていつかできるんだろうな、と漠然と思ってるじゃないですか。それくらいの意識でしたね。ただ、今は3児の母として、子供がいなきゃいけないというメッセージは出さないように気を付けてます。子供の有無によって女性のヒエラルキー、優位性をつくろうとするのはやめようと現代の日本に言いたいですね。

■取材を終えて

(清田)

人生のピークを後半に持ってくるというお話や一生続けられるキャリアを選択すると良いということが印象的でとても感銘を受けました。

そしてファッションは人と比較するものではなく、自分に彩りを与えてくれるものであるため人と比較してはいけないとお話しを聞いてファッションだけでなくどんな時も人と比較せずに自分らしく生きていきたいと思いました。

(新井)

大草直子さん、としては初めてお会いしましたが、そのエネルギーに圧倒されました!小学生の頃から仲良くしてもらっているひなちゃんのお母さんなので、ひなちゃんママ(あえてそう呼びます)は普段から明るい笑顔の方という印象なのですが、仕事場でもそれが変わらなかったことが純粋に驚きでした。その表情からも本当に仕事が好きなんだろうなあ、と伝わってきて、私もそんな仕事をみつけたい!と心から思いました。はっと気がついたことが、自分がキャリアのピークを無意識に早めに設定していたことです。色んなことが「早い」世の中だから自分の人生は長い目で、自分軸を失わず、計画を立てようと思いました。

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