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【取材レポート第1弾】「1度頓挫しても出来ないコトはない」株式会社タスカジ代表取締役社長 和田幸子さん

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昨年10月11日に株式会社タスカジ代表取締役社長 和田幸子さんに取材させて頂きました。

3回に分けて掲載する(第2弾起業編:17日、第3弾家族編:19日)レポート。

今回は第1弾。学生時代のお話から1度目の起業まで盛り沢山!!!

そして貴重すぎる和田さんの幼少期のお写真も?

写真:株式会社タスカジ代表取締役社長 和田幸子さん

和田幸子氏プロフィール:1999年横浜国立大学経営学部を卒業し富士通に入社。システムエンジニア、WEBマーケ、新規事業立ち上げに携わる。2005年慶應義塾大学大学院にてMBA取得。2008年、第一子を出産後、フルタイム勤務で復職。2013年10月、自身の課題でもあった共働き家庭の「新しいライフスタイル」実現に必要な社会インフラを「ITを活用してつくる」ため、富士通を退職。同年11月、ブランニュウスタイル株式会社(旧社名、現・株式会社タスカジ)を設立。2014年7月、家事代行サービスマッチングプラットフォーム「タスカジ」をオープン。サービスは、政府やメディア等にも注目され、顧客数を順調に伸ばす(昨対比1.5倍)。2017年には日経BP社日経DUAL家事代行サービス企業ランキング1位を獲得。現在は、地方自治体や企業などとの新しい取り組みや、教育機関をはじめとした講演活動など、活動の幅を広げ、「核家族から拡大家族へ」を合言葉に日々奮闘中。日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018「働き方改革サポート賞」受賞。

 

「学生時代は家事をやったことがなかった」

WI:学生時代に家事についてどういう風なイメージを持たれていましたか?タスカジというサービスを今展開されていらっしゃいますが、家事はよくされていたのでしょうか?

和田幸子さん(以下敬称略 和田さん):実家暮らしで母は専業主婦だったので、家事はほとんどやったことがありませんでした。

WI:料理に触れられた経験もないということでしょうか?

和田さん:やった事がないわけではないのですが、自信を持って言えるほどではないんです。母から教えてもらったというよりは家庭科の授業で学んだことも多いです。

高校生の時に、両親が旅行に行き、妹と2人きりになった時があったんです。

その時、生まれて初めてまともな料理としてハンバーグを作ったのですが、5時間もかかったんですよ(笑)

WI:それは和田さんだけで作られたのでしょうか?妹さんもご一緒でしたか?

和田さん:妹と一緒に作りました。当時私が高校生、彼女が中学生で、家の中からレシピ本を見つけて「ハンバーグ食べたいね」って(笑)レシピから必要なものを洗い出してスーパーに買いに行くところからやりました。お遣いもまともにやったことがなくて、多分5000円ぐらい使っちゃいました(笑)恥ずかしながら、それが生まれて初めて最初から最後まで自分でやった料理ですね。

子ども時代には近所に幼なじみの女の子と一緒にいて、その子が凄い家事と料理が大好きで、一緒にケーキをつくったりしました。でも幼なじみとは違って「楽しい!」とあまり感じなかったんです。

向いている感じがしないというか、例えば結婚した後に専業の仕事としてこれをやりたいと思うかと自分に問うと、即答できない自分がいて…

母と同じ専業主婦という仕事で生きていくっていうイメージがつかなかったんです。自分には、ロールモデルは父の方が合っているなって強く感じましたね。

写真:1〜4歳の頃の和田さん(前列左)

「仕事の楽しさを教えてくれたロールモデル」

WI:和田さんにとってのロールモデル、そんなお父さんはどんな方なのでしょうか?

和田さん:父はコンピューターメーカーに勤めている営業マンでした。超前向きな人なので、帰宅したらその日の仕事で楽しかったこと、悔しかったことを喋っていて、そういうのを聞いて仕事って楽しいんだなって思わせてくれましたね。

WI:横浜国立大学で(和田さん出身校)経験できて良かったなあと感じることはありますか?

和田さん:私は、公認会計士の資格が取りたかったんですね。やはり自分にとって父がロールモデルだったので、働いていかないと生きていけない。

働き続けるために、女性は資格があったほうがいいと思い、公認会計士の試験を受験しました。合格できなかったけれど、その時に学んだことは働く上で物凄く役に立ったので良かったと思います。

会計、経営、などビジネスそのものを勉強できる経営学部を選んだのも正解だったなと。その中でも心の中で何個かキーワードが残っていてそれは仕事、そして今も役立っています。

写真:スーツを着ている和田さん(左から3番目)

WI:その何個かのキーワードは、どのようなキーワードなのでしょうか?

和田さん:1個は「何故人というのは組織に所属するのか」。それは組織論だったと思います。所属したいと思える状況が続く限り所属するけれども、その状況がなくなるとみんな離れていくというものであると。だから所属したい、と思わせるような仕組みを作らなければみんな所属し続けないですし、所属したい理由があるから所属しているんだと。私にはそういう発想がなかったので、その時「あぁそうなんだ」と思い、会社に勤めるということはお給料を貰う目的のために所属するのかもしれない、何か自分の成長に繋がるものが得られるからそこに所属しているのかもしれない、人によって色んな目的があり、それは様々だと気づかされたので、凄いインパクトがありました。

社会人になってからは常に色んな組織に所属し続けることの自分のメリットとはなんだろう、と考え続けていましたね。その組織が私に欲しいものを授けてくれるかどうかの確認は常にしているつもりです。

「ニーズが合致して決めたファーストキャリア」

WI: 富士通を最初の就職先に選ばれたきっかけはあったのでしょうか?就活は何を意識されてしましたか?

和田さん:私は公認会計士の仕事をしたくて学生時代に資格の勉強をしていたことがあったためこれを強みにしようと思いました。元々、私はIT系の仕事に興味があったので、「会計×IT」でIT系の企業を中心に見ていました。当時、富士通はパソコンや携帯で有名だったので、ITのイメージが強くて。

ERPってご存知ですか?会計や生産管理、販売管理システムってどの企業でも使いますよね。でも企業ごとにシステムを作っていたら勿体ないので、パッケージ化してそれを大量販売するのですが、それをパッケージビジネスと呼びます。その中でも会計、人事、給与など基幹システムを統合的に繋いで、経営の効率化を図るための手法をERPと呼ぶのですが、当時それが流行っていて、沢山の企業が導入しようとしていました。

自分たちの会社で一つずつ作るのではなくて、既製品を導入して業務の方を合わせていこうとする流れがありました。金融ビッグバンについてはご存知ですか?

WI:金融ビッグバン、初めて聞きました(笑)

和田さん:色んな銀行が倒産して、日本の金融業界を再編した大きな変革のことです。法律や会計のルールも変わったんですよ。国際会計基準もどんどん変わる、つまり会計のルールが変わるということは会計システムを入れ替える必要があるので、先程お話ししたERPのような会計システムの需要が高まっていたんです。富士通はERPを自分たちの商品として持っている会社で、私はその開発をしたいとお話ししたところニーズが合致し、採用して頂きました。

「学生時代は高くアンテナを張っていなかった」

WI:OG訪問やインターンをされて、就職先を決められたのでしょうか?

和田さん:うーん、してないですね、本当はすべきでしたね(笑)。私は学生時代、そんなにアンテナを高く持っていなくて、人生に対して熱心ではありませんでした。そんな性格だったので、新しい友達と出会うために努力したり、バックパッカーや海外旅行に行ってみるとかそういうことは全然していなかったです。

WI:サークルや他に夢中になられていたことがあったのでしょうか?

和田さん: 1年生の時はサークルに入っていたのですが、2年生から会計士試験の学校に通い始めたこともあって、忙しくなってサークルには通えなくなりました。でも、会計士試験の学校で新しいコミュニティが出来ました。

写真:大学1,2年生の時の和田さん(1番後ろ)

WI:今日取材させて頂いているのは大学生メンバーとメンバーの友人たちということで、大学時代やっておけば良かったと後悔していることはありますか?

和田さん:まずは、少しでも興味があることがあれば、まずはやってみておけば良かったと思いますね。

先ほどあったように私は当時IT企業に勤めたいって思っていたのにも関わらず、そういう勉強をしていませんでした。興味はあるのに、プログラミング教室にも行きませんでしたし「就職するまで待っていよう」という感じだったので、今考えると何かやっておけば良かったなっていう想いはありますね。もう1つは、”海外に行ってもっと色々な国の人と喋れば良かった”とか、”色々な業界のバイトをもっとすれば良かったなぁ”って。コンビニのバイト、凄い面白そうって思ってるんですよね。

WI:何故コンビニなのでしょうか?

和田さん:あのオペレーションが面白そうで 、どうなっているのかなって気になっています(笑)レジに立つまで、凄い難しいことやってるじゃないですか?「どう教育して、店員さんの気持ちを持ち上げるんだろう」「店員さんの入れ替わりがとか激しい中で2、3日の研修だけで引き継いでいるのかな」「画面に色々出ているけど何が出ているんだろう」「商品の届くタイミングはどうなっているんだろう」「収益モデルはどのような風になって、どのくらい利益が出ているんだろう」って考えているだけでも面白くって、実際バイトしてみて知りたいんです。

WI:経営や数字ごとに関心が高かったのでしょうか?

和田さん:そうですね、色んなビジネスに興味があります。居酒屋のバイト、カフェの店員などもとかやってみたいですね。カフェ経営って儲かるのかなとか、どうやったら儲かるのかなとか考えるのが楽しそうで。

「バイトで得た新たな視点」

WI:大学時代何のバイトをされていましたか?

和田さん:大学時代はデパートの商品券売り場でバイトをしました。年末はお歳暮で配る用の商品券が凄く売れるので、そこのお助けに行っていました。もう1つ、競馬場のタバコ販売機にタバコを詰め替える作業をしました。

WI:よりにもよって何でタバコだったんですか?

和田さん:JTのバイトだったんです。すごい沢山売れるんですよ!1日に3、4回入れ替えました。こんな儲かるんだってびっくりしました。人材派遣会社で営業のバイトをやりました。飛び込み営業をしていましたね。

WI:大学生でも営業とか出来るんですか(笑)

和田さん:特殊だったんですよ。

WI:具体的に声をかけられてだったのでしょうか?

和田さん:どの会社に行ってもいい、とにかくチラシを渡して可能であればアポを取るというバイトでした。最初は丸の内ビルディングの上の階にある会社からどんどん訪問していって。受付の人に大抵上手いこと断られて担当者には会えないので、チラシだけ渡して毎回撤収!そうは言っても、たまに繋いでくれるんです。人事部長みたいな方がやって来て「あーどうもどうも」みたいな感じで、一応話だけ聞いてもらえるときもあれば、別パターンももちろんあって、すっごい怒られたりもします。「朝から晩まで人材派遣の営業が来てうるさい!」「仕事にならないんだよ!そこ座りたまえ!」って言われて10分間ぐらい怒られてることも。興味深かったです(笑)

WI:何年生の時にやられたんですか?

和田さん:4年生です。

WI:就職を前に営業をやってみたいという気持ちからだったのでしょうか?

和田さん:そうですね。どちらかというと高い時給に惹かれて応募してみたら、営業やってほしいと言われて、やったことないのでやってみようと思ったら、すごい怒られて(笑)

WI:飛び込みで想像してもみなかったことをされていたんですね(笑)

和田さん:そうですね。私は楽しかったんですが、普通はびっくりしますよね。

人材派遣会社だったので、人材教育には熱心な会社でした。営業の次は内勤をしてほしいと言われて、パソコンで経費データを入力する仕事をしました。当時の学生はまだまだパソコンを持っている人も少なくて、Excelの使い方もしらなかったんですね。テキストを渡されて2日でExcel使えるようになってくださいと言われて。タダで勉強させてもらった上にバイト代ももらえたんです。

学生の時はお金を払って学ぶことしかしていないので、会社が人を育成するという点になった瞬間、お金の支払いを発生させるんだということを知りました。違う世界で面白かったです。(笑)

バイトはとても楽しかったので、もっといろんなバイトを経験して社会人になっていたら、役に立っただろうなぁと思いますね。

「1度頓挫しても出来ないコトはない」

WI:1度起業をされた際に、すぐ上手く行かず、失敗されたことを伺いたいです。タスカジという会社を作るにあたって、不安や恐怖に打ち勝つものは何だったのでしょうか?

和田さん:あの時上手くいかなかった理由を数年間かけて自分の中で分析しました。そこには2つの学びがありました。1つは大勢で始めたこと。大勢でやったので、自分の希望が通らないことが出てきたんですね。それに対して不満を持ったりした訳ではありませんでしたが、少しずつ自分のやりたい方向とずれてくる感じがあって、大勢で方向性を合わせるのってこんなに難しいんだ、と思いました。大勢でやると自分の意見が通らないリスクが高まるので、始めるときは少人数でやったほうが良いと学びました。

もう1つは、自分のやりたいことを見つけることの重要さです。当時の私にとっては、起業のテーマより起業することのほうが大切だったんです。でも起業すると沢山の超えなくてはいけない壁が出現して、起業テーマが自分ごとになっていないと、乗り越えるためのエネルギーが湧いてこない、そんな状態になったんですね。だから、次にやるときには、かならず「人生を賭けても解決したいテーマ」を選ぶべきだなと感じました。

 

次回第2弾(起業編)は、17日。第3弾(家族編)は19日に掲載します。 EndFragment

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