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【取材レポート第2弾】「得意なことを伸ばしていくのがフィンランド式」フィンランド出身 坂根シルックさん

今日は第2弾「子育ての特徴」を掲載します。

今回も解説は、多数のメディアや講演会等でフィンランドの働き方や教育を伝え、現在は東京農工大学のリーディング大学院で特任教員として働かれている、フィンランド人の坂根シルックさんです。

【子育ての特徴】

フィンランド人は家族一緒の時間を大切にします。例えば、子どもにする本の読み聞かせですが、ただ読み聞かせをするのではなく、主人公の気持ちを一緒に考えたりするなど、子供とコミュニケーションを大切にします。特に多くの父親が率先して行うようです。 あまり外食をせず、週に2、3回家族一緒にサウナに入るのも特徴的だと言えるでしょう。

フィンランド人の親は、子どもを小さい頃から自分とは違う生き物、1人の人間、価値観が違うものとして接し、子どもの意見を尊重していきます。それは、親子男女間全てに言えることで、それぞれの意見を言える環境を親が提供できるようにしています。あと兄弟間や友だち間での比較もしません。

また、フィンランドでは20歳前後で実家を出る習慣があります。学生住宅や設備が整っており、生活費も国が支援してくれるため、自立しやすいのです。多くの若者が実家を出る中で、仕事も稼ぎもあるのに子どもが実家で暮らしている場合、フィンランドでは異常な状態だと捉え、親子でカウンセリングを勧められることもあるようです。

【質問】

Q1.シルックさんが日本に来て、親子間での上下関係を感じた時、どのような思いを抱かれましたか? 坂根シルックさん(敬称略):どうして、子どものことをすべてお母さんが決めてしまうのだろうと思いました。例えば、ママ友の間で子どもに何を習わせるのかについて話している時ですね。母親が決めるのではなく、子どもが何をやりたいかをくみ取ってチャンスを与えるのが母親の役割で、「やらせる」のは少し違うと思います。

フィンランドでは、日本で言う「習い事」という概念がなく、「趣味を楽しむ」と表現します。捉え方が少し違うのです。好きだから、上手くなりたいからやるのであって、そこに競争心はなく、子どもはやりたい道を自分で選んでいきます。

Q2.小さい頃から自分の好きなことを強めていくと、大人になった時にやりたいこと、好きなことを仕事にしている人は多いですか?

シルック:私の周りでは、楽しく仕事をしている人や、やりがいがなくなったら仕事を変えている人が追多いです。得意なことを伸ばしていくのがフィンランド式。

日本だと、全てにおいてオールマイティーになることが「良し」、とされていますが、それだと自分が本当に得意なこと、好きなことが分からなくなってしまいます。必ずだれにでも得意なことは1つあるはずなのに、本人がそれを才能と認めなければもったいないです。その子が向いているモノを一緒に見つけてあげるのは楽しいですよ。

次回は最終回、10月17日に掲載します。

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