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【取材レポート】朝日新聞地域報道部 三島あずさ記者

6月6日、朝日新聞地域報道部 三島あずさ記者に取材させて頂きました。

お忙しい中、お時間を頂き大変嬉しく思っています。

          右手前 朝日新聞地域報道部 三島あずさ記者

Q1.進路をどう選択されましたか? 記者という仕事に対して憧れを抱いたのはいつ頃だったのでしょうか?

A1.父親が新聞社に勤めていたので、幼い頃から新聞は身近なものでした。また、中学校からはテレビもない寮生活で、情報源は新聞だけだったので、みんなで奪い合うように読んでいた影響も大きく、たしか高校三年生ごろには記者になりたいと思っていました。知らないことを知ることで世界は広がるし、さまざまな問題を多くの人に伝えることで、解決につながるアイディアやアクションが生まれてくる。そんな仕事にかかわりたいと思いました。大学は、初めから専攻をしぼらず、幅広く学べるところを選びました。

Q2.学生時代に影響を受けた本はありますか?

A2.たくさんありますが、名前を挙げるとしたら、例えば沢木耕太郎さんの「深夜特急」や、灰谷健次郎さんの「太陽の子」があります。小6か中1の頃に読んだ「太陽の子」は、たぶん初めて沖縄戦に接した体験で、自分にはまだまだ知らないことが山ほどあるんだと感じたことが印象に残っています。「深夜特急」は高校生の頃に読んで影響を受け、大学時代は長期休みのたびに、安宿に泊まりながら旅をしました。

Q3..母が専業主婦世代という家庭が多く、ロールモデルは母親しかいないと言われた世代で、自分は働くと決心した際にロールモデルはいらっしゃいましたか?

A3.自分は、わりと昔から漠然と「働きたい」という気持ちをもっていました。中高時代に大きな影響を受けた先生も女性でしたし、バックパッカーをしていたときにも旅先で海外のキャリアウーマンにたくさん出会っていました。父の同僚の女性記者と会ったこともあり、「ロールモデルがいない」とはあまり感じませんでした。

Q4.「女性」をテーマにした記事を多く書いていますが、きっかけは何だったのでしょうか?

A4.数年前から、世界経済フォーラムが毎年公表している「ジェンダーギャップ指数」で、日本のランクが低いことに問題意識をもつようになりました。それまで取材を通じて見聞きしてきた女性を取り巻くさまざまな問題は、かなりの部分がジェンダーギャップの大きさに関連しています。また、「女性だから」「子どもがいるから」と、仕事の幅や行動を無意識に決めている自分にも気がつきました。そして、それらは子ども時代からのさまざまな経験や、メディアから受ける影響などとも、強くつながっていると思いました。今の子どもたちには、性別を理由に限界を感じたり、自ら限界を設定したりしてほしくない。だから、「男らしさ」「女らしさ」に関する無意識の偏見や、ジェンダーギャップが大きいことで生じているさまざまな問題に、目を向けるきっかけとなるような記事を書きたいと思っています。

Q5.女性が政治の世界にもっと進出するためにはどうしたらいいですか?

A5.いろいろな課題がありますが、まだ社会には「政治は男性がするもの」というイメージが強く残っていると思います。女性政治家のロールモデルも多くありません。女性も政治家になれる、政治家を目指してみよう、と思う人が増えるためにも、記者として、さまざまな女性議員がいることを伝えていきたい。いろいろなロールモデルが見えれば、政治の世界を目指す女性も増えると思います。また、女性リーダーを育成するような機会を増やしていくことも大切だと思います。

Q6.これまで多くの女性に取材して、印象的だったことは何ですか?

A6.去年と今年、3月8日の「国際女性デー」に向けて「Dear Girls」という企画を展開した。その企画でインタビューをした漫画家の西原理恵子さんが、女の子たちに向けて「お寿司と指輪は自分で買おう」というメッセージを寄せてくれました。男性に頼ることを第一に考えるのではなく、女性も自立して生きることが大切だというシンプルなメッセージですが、とても共感しました。

Q7.高校生のうちに出来ることは何ですか?

A7.学校だけでは出会うことができない人がたくさんいます。新たな考え方や社会で問題になっているさまざまなことに触れるために、まずはイベントや講演などに積極的に参加し、視野を広げていくことが大切だと思います。

▪取材後記

鈴木

今回の取材を経て強く印象に残ったことは、女性が社会に進出していくためには「女性が自ら動き、今の現状を当たり前と思わないこと」という言葉でした。女性の働き方が問題となっている社会で会社のあり方や、男性の考え方が見直されています。ですが、女性自身も変化していかなくては女性が働きやすい環境をつくるという課題は達成することが難しいと感じました。

三島さんのお言葉が胸に響き、自ら積極的に行動をしていくことを大切にしていきます。三島さんありがとうございました!

新井

約1時間の取材でしたが、とても濃密な時間でした。私たちの質問に答えてくださっていた時の三島さんの、丁寧で優しくも力強い言葉が印象に残っています。特にその中でも「色んな人に出会ってこそ」という言葉は、私たち学生が大切にすべき言葉なのではないかと思いました。しかしながら現在高校生の私は、周りの関わりというと学校が主になっており、人との出会いは決して多いとは言えません。そのため、自ら積極的にセミナーなどに参加して出会いを増やすべきだと改めて強く感じました。三島さん、大変有意義なお話を本当にありがとうございました。

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