【取材レポート】津田塾大学総合政策学部村木厚子 客員教授
【取材レポート】
6月20日に津田塾大学千駄ヶ谷キャンパスにて、元女性官僚の村木厚子さんに取材させて頂きました。女性としての生き方だけでなく、働く上での子育て・家庭との両立など幅広い視点からたくさんのお話を伺うことができました。
前列 右から2番目 村木厚子さん
〈取材要約キーワード〉
・医療は平和なしでは無力
・運命のイタズラ
・同世代の人をロールモデルに
・仕事を通じた沢山の人との出会いは大きな財産
・自分のないものに惹かれ始める
・後悔をするやり方を覚え、次第にいい道を選択
・後の世代にできるだけ良い社会を
・仕事の後任者はいても母の後任者はいない
・私が失ったものは、かつて自分が持っていた財産
〈取材質問〉
Q1：消去法で公務員の道を選んだというが、もし現在新卒であったらどんな職業につきたいですか？
A1：やっぱり公務員という道を選んでいると思う。公務員は長くずっと働くことができる仕事。仕事を選ぶ基準は、誰かのためになるか、長く続けることはできるか。
Q2：旦那様をイクメンに仕立て上げた方法を教えてください
A2：自分が事故にあった際、家事や全てのことをやってもらったことが気かっけ。また家事をするときはそれぞれ得意なことをすると、どちらにも利益になる。旦那さんを褒め旦那さんに感謝することが大切。
Q3：パートナーを選ぶ決め手は何だったのでしょうか？
A3：一緒にいて楽か、自分の相談したことをそのまま受け入れてくれるか、が大切。運命のいたずらも大切。
Q4：伊藤忠の社外取締役を引き受けた理由ときっかけは何だったのでしょうか？
A4：1番最初に声をかけてくれた会社だった。そこで”空気を読まないことも女性の役割”だと言われた。
Q5：今までの出会いの中で一番衝撃的だった人はいらっしゃいますか？
A5：現場でカリスマ的な人は衝撃的だった。もともと人と会うことが苦手だったが、仕事は嫌でも人と会わなければならなかった。
しかし、人とたくさん会っているうちに、仕事をする意味が人に会うことだということがわかり、今ではたくさんの人と会うことは財産であると考えている。
Q6：人間的に魅力に映る人の共通点はありますか？
A6：自分に無いものに惹かれることが多かった。信念があり長くことが続けられる人や仕事をものすごいエネルギーとしている人。（例）竹中ナミさん
Q7：ぶれない自分と仕事への誇りにつながる原点、実体験を教えてください。
A7：仕事につくと選択肢が限られ少なかったため、主に仕事と家族のことを考えていた。子育てをしていく上で可愛い子供達は育ってしまうことが分かった。仕事の後任者はいても母の後任者はいないためやりがいのあるものと一生懸命になれるものを選択していった。
→良質な仕事につながる。
Q8：たくさんの物事を選択していく上で、その取捨選択となる基準とは何でしょうか
A8：できるだけ後の世代に良い社会となるもの。日本の中にいる厳しい状況に置かれた人に目を向ける。自分が関心のあること。自分の力が最大限に発揮できるもの
Q9：仕事と両立していく上で、家族の時間はどのように作っていかれたのでしょうか。
A9：娘とのの病気と向き合っていく上で、母の後任者はいないという思いに振り返って、気持ちが楽になり仕事と家族とをきちんと割り切った。長い目を見て家族を大切にすることは人として成長できた。仕事仲間に対する感謝の気持ちを忘れないこと。短い時間だからこそ仕事に集中して努力を惜しまない。
Q10 ：拘留所生活の中で自分が辛くなったとき、どのようにマインドセットをされたのか。
A10：私は変わってしまったのかを考え、失ったものは自分がかつて持っていたものである娘のために頑張ろう。今できることを考え健康第一にいた。いつ自白させられるかが恐怖だったので小説などを通して気分転換を図っていた。些細な事にも好奇心を持つことで乗り切る力がついた。
【感想】
私が今回村木厚子さんの取材をさせていただいて、最も印象的だったのは村木さんがとても謙虚で、優しい方だったということです。
また村木さんは私たちの質問にしっかりと丁寧に答えてくださりました。
村木さんのお話を伺っていると「誰かのために」ということを大切にされているように感じました。
仕事を選ぶ時も誰かのためになるか、他の人がやりたがらないことを自ら率先して行うことで誰かのためになる。このように村木さんのような素敵な方は「誰かのために」ということを意識されているとのだと、私も誰かのためになれるように行動したいと思いました。仕事や家族の話から官僚時代の貴重なお話を伺わせていただいただけでなく、村木さん自身私達に訴えかける様にお話してくださいました。これから様々な試練と向き合わなければならない私達学生にとって、大切な要素や視点を村木さんの経験を通してお話をしてくださいました。貴重な機会をありがとうございました！
