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【取材レポート】株式会社アイスタイル アットコスメ取締役 山田メユミさん

【取材レポート】

先日5月24日に株式会社アイスタイルCQOである、山田メユミさんに取材させて頂きました。

アットコスメを始めとする女性向けのコンテンツを作り出されている経験を含め、メユミさんご自身のこれまでの人生や軸に迫ってお話を伺ってまいりました!

貴重なお時間とお話を本当にありがとうございました!!!

それでは以下、取材内容を掲載いたします!

写真中央 株式会社アイスタイル アットコスメ取締役 山田メユミさん

【学生時代】

Q1. メユミさんの大学時代の経験で今1番役に立ち、為になっていることは何でしょうか?

A1.ものづくりの仕事がしたかったので、東京理科大学の基礎工学部に入学した。入学直後に顔も見知らない同級生との長万部での寮生活は新鮮で、性格や考え方において大きなターニングポイントなり、協調性・協力する難しさを知ることになった。また、北海道の自然の豊かさから都会が凄いという概念が崩され、地方ならではの素晴らしさに気付くことが出来た。そういう意味では、違う価値観の中で生きている人がいるということを知り、ある意味ダイバーシティな体感値として経験できたのは貴重だったと思う。振り返ると、ウェブのサービスを作るにあたって、地方にもお客さんが居るということを自然に考えられるきっかけになった。

Q2.大学での全寮制で協調性や多様性を学んだと仰っていましたが、それに気が付いた瞬間はいつでしたか?

A2.大学の時はいい経験が出来たとは思っていなくて、自然をリスペクトする気持ちを持っていることに気づいたのは起業をしてから。今改めてネット通販の事業に取り組んでいると、当たり前にあると思っていたブランド商品が地方ではなかなか手に入らないことを思い出し、色々な社会がある事を前提に考えることができる。

Q3.元々コスメに関心があるようでしたが、どのタイミングやきっかけで、さらにコスメに興味を持ったのですか?

A3.ものづくりをしたい思いが元々あり、まだ高校生だったので、自分がリアルに消費者として見ているものに目がいった。その中で、食料などとは違い、必需品でないのに女性と深い関わりがあるコスメに面白さを感じるようになった。小さい頃、母の香水の瓶やコスメをコレクションしていて、キレイなものとして好きだった。高校生になり、化粧品系のマーケティングや研究開発が出来ればいいなと考えていた。

Q4.実際にメイクをするのが好きなのですか?

A4.コスメマニアではないと思う。作る側として興味があり、化粧品は基本的に化学製品なので、トイレタリーと変わらないが、女性にとっては気持ちをアップさせ、精神的に与える影響も多く、自分に自信が持てたり幸せになれたりする。また、ご褒美だったり嗜好品として女性と関わりが深い。無くても死ぬことは無いが、無くてはならないものというところに、マーケティング的な深さを感じた。例えば、使い心地や香り、化粧品を開けた時の音や持った時の感触、見た目、どのようなコミュニケーションで伝えるかまで緻密に考えられている。また、同じ商品でも、信じて使うのと疑って使うのとでは効果が違うのではないか。このような色々な面白さがある所が興味を持ったきっかけ。

Q5.大学でマーケティングを勉強されたのですか?

A5.いいえ。バイオテクノロジーの勉強をしていた。大学2年生の頃には化粧品業界で働きたいと思っていたので、外部研究生として化粧品系のゼミを取っていた。そう意味では、自分で思った道を進んでいった。社会人の方と一緒に肌への影響について学んだので、1年早く社会に出たような感覚だった。就職氷河期で女性で研究職は少なかった。求められているのは男性ばかりで門も開いてもらえず、説明会のハガキも女性には届かず、なんとか説明会に行っても男性ばかりで「なんで君きたの?」と言われたりもした。それでも、化粧品メーカーで働きたくて、工場を持っていない化粧品メーカーから受託を受けて、企画、製造、開発をする会社に新卒採用をしているかどうか片っ端から電話をかけて聞きいていき、そこから研究者として原料メーカーに就職した。

Q6.起業した時に苦労された点とは。またそれをどう乗り越えたか。

A6.起業した時、大変すぎて何が大変なのかわからない程だった。歯を食いしばりながら日々悔しくて泣いていた。それでも自分で選んだ道だからこそ、ここまでやってこれた。忙しい中で出来ることを出来るだけすることが大切。

Q7.インターネットのない時代の中で、どのような工夫をしてお客様に商品を伝えましたか?また、現在工夫されている伝え方とはどのようなものですか?

Q7.ネットがあるないに関わらず、いかに商品やサービスを信頼してもらいファンになってもらうかを大切にしている。ネットが出現してからは伝える手段が変わったので、より企業と消費者が対等な関係が生まれ、手段や出来ることは変化していった。当時は、広告や雑誌で宣伝できても、お客様は実際にどう思っているのだろうと疑問だった。そのため、みんなでつくるみんなのためのコスメガイドが必要だと感じたのが、アットコスメの原点。

Q8.産後1ヶ月に復帰したのち、体調を崩し改めて4ヶ月育休を貰ったということですが、管理職という立場から育休を取ることに対するプレッシャーはありましたか?

A8.30歳まで男女関係のない職場環境で過ごしていたのでなかった。出産については計画していなかったが、父の闘病や震災で命に触れ、子供が欲しいと思い、不妊治療後に38歳で出産した。女性の体についての知識やリミット、生活の仕方を学べる場が欲しかった。

Q9.仕事をする上で、どのような時に“女性の視点”が必要になるとお考えですか?

客観的にリアルな声と直面するとき。女性は男性よりも、サービス、価格による選択の際、自己の軸を大切にしている気がする。また女性の視点だけでなく、経営チームのダイバーシティな視点が、生活者のことを考える上で大切になってくる。

Q10.コスメを作る時と、買う時にあたって、一番大切にしていることは何ですか?

A10.買う時はフィーリングだと思う。同じ香りにしても、精神状態によって感じ方や受ける印象は違うと思う。だから、その時に自分がいいと思ったものを買うべき。作る側も、何を大事するというのは一定には決められない。アットコスメのサイトでは、同じ商品に対して、同じ商品感想を持つ者はおらず、百人百様。状況や目的、会う人によっても変わってくるので、買う人が1番心地よいものを選んでほしい。

【ライブイベントについて】

Q11.高校生は将来の方向性について悩んでいる人が多いと思いますが、ユミメさんは将来について親に伝えましたか?

A11.元々獣医になりたくて、小さい頃から真剣に考えていた。しかしそのことを母に打ち明けたら猛反対されてしまった。それがとても嫌だったこともあり、結局自分で考えて後悔しない道を選ばないといけないので、あまり相談しなかった。大学も、ネットベンチャーの企業も事後報告していた。そのため、何度もそれで母から叱られていた。

Q12.学生の中で、未だに周囲から「何才までに結婚・出産」を鵜呑みにしている人が多く、ある意味それが無意識にその人の「限界」になってしまっている気がするが、ユミメさんは、周囲からの「おせっかい」な声やアドバイスにどう対応しましたか?

A12.やはり、女性にはリミットがあるのは事実。将来家族が欲しいと思う方は、女性の体のことや、出産までのキャリアについて計画立てられるべきなので、話半分で聞くことが大切。歳をとってからでも良いというのは間違っている。新入社員の方にお話するのは、出来るだけ早く色んなことにチャレンジして、自分の可能性を見つけ、スキルアップするということ。しっかりとした能力を身につけたからの方が安心してお休みも取れる。子供が出来てから自分の時間が少なくなってくるので、何をすべきか分からなくても、とにかく積極的にやってみてから選択していけば良い。

Q13.多くの方に取材する中で、「やらないで後悔するよりやって後悔しろ」ということをよく聞きますが、ぶれない自分の軸やマインドセットはどのように作られていますか?

A13.したくない仕事を仕事だからと割り切ってやるという選択肢はなかった。好きなことをしていれば、自分なりに面白さを感じる事で、成果も異なってくるし、沢山の人を巻き込むことも出来る。悩み続けても結果は変わらないのでとにかくやってみて、駄目だったら辞めれば良いと思うようにしている。泣くような日々があっても、好きなことだから楽しんで乗り越えられるマインドでこれからも行くのだろうなと思う。基本的に自分の中の軸は変わらないが、子供が産まれてから価値観が変わり、自分で打ち込めること且つ、社会の役に立つことを100%でやってきたが、家族と過ごす時間も大切にし、子供の成長をできるだけ見ていきたいと思うようになった。出来なくなることや諦めないといけないことは増えたが、その中で出来る最善を日々意識している。人に任せられるところは任せて、ものごとの優先順位を意識するようになった。自分のやるところと人に任せるところ見極めないと両立できない。今は大学生のベビーシッターやシルバー人材センターを利用するなど、自分をサポートしてくれる人と繋がっている。

Q14.物事の取捨選択の基準は何ですか?

A14.明確な基準はなく、本能のままに動いている。座右の銘は「一日一生」であり、その日その日に出来る最善を大切にしている。その結果が自分の生き生きとした未来に繋がっていると感じる。将来の見えない不安に感情的に捕らわれて、くよくよして動けないような事がないように意識的に楽観的でいる心を常に持って、物事を見極める。

【感想】

私がこの取材で、印象づけられた言葉は、多様性です。学生時代の経験や周りの環境と人々、研究者としてのコスメに対する様々なこだわりと消費者に対する受容、仕事と子育てを両立するライフスタイル。これら全てに柔軟的でバリエーション豊かな多角的視点、思考という共通点が伺えました。このような、山田さんのしなやかなフィーリングは、自らアクティブに、また好奇心を持って活動することで生まれているのだと強く感じます。

だからこそ、私達のような若者は自分を取り巻くものだけでなく、さらに一層広い範囲で起こりうる物事にも好奇心、すなわちウキウキ、ワクワクを持って向き合う大切さを理解し、実行していくべきだと思います。

山田さんの一意専心な瞳から、エネルギッシュで輝きを持ったパワーを頂ける取材になりました。山田さんありがとうございました!

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